さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき
あたろうか あたろうよ
しもやけ おててが もうかゆい
道沿いの垣根に山茶花が咲く光景は、ふっとそこが明るく和らいだような印象を受けます。落ち葉を掃き集めて家の前で焚火をすることは、今ではほとんど見ることはなくなってしまいました。しかし、童謡『たきび』に歌われているように、初冬の風物詩であり、今でも冬を感じさせるイメージなのではないでしょうか。
もともと中国では、ツバキ科の花を総じて山茶というらしく、山茶花の花が椿によく似ていたため、混同されてその名がつけられたようです。
日本でもそれは同じで、椿と山茶花はよく似ており、見分けがつきにくい植物です。見分け方としては、葉のギザギザが深いのが山茶花、浅いのが椿。また花が落ちるときに花びらがひらひらと落ちるのが山茶花で、首ごとおちるのが椿です。
普段は主に生垣として見ることが多い山茶花ですが、花の少ないこの時期に彩りを与えてくれる植物でもあります。山茶花を見て、童謡を口ずさみながら冬の訪れを感じてみるのも、ひとつの冬の楽しみ方かもしれません。