三重県亀山市竹林整備・竹林に棲む土壌生物が教えてくれる大切なこと
- 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
- 3 日前
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三重県亀山市竹林整備の現場で土壌生物を調査するためにピットフォールトラップを使用して亀山市の竹林でこのトラップを回収したところ、クロヒメヤスデやヤケヤスデ、ゴミムシ、ヤチグモ類など、土壌や落ち葉層に生息する生き物が確認できました。

これらの生き物がもつ“森林・竹林の生態系における役割”を考えてみようと思います。

竹林の過密化や土壌流出が問題視される中、こうした小さな生物たちは私たちが想像以上に重要な働きを担っています。
1. 土壌のリサイクルに貢献:ヤスデ類(クロヒメヤスデ、ヤケヤスデ)


枯葉や倒木の分解を促す
ヤスデ類は落葉や枯死木、菌類などを食べ、細かな有機物に砕く役割を担っています。特にクロヒメヤスデは体長が50~60mmと大きいため、より多くの落ち葉などを消費し、土壌へ還元する役割が期待できます。
土壌改良の促進
分解後の排泄物や粉砕された落葉は、微生物の働きを活発化させる腐植土のもとになります。これにより竹林の土壌が養分豊富になり、樹木や草本が健全に育つ“地力”が高まります。
クロヒメヤスデとヤケヤスデは、落ち葉や木材を分解し、土壌に栄養を戻すことで、森林や竹林の土壌肥沃度を高めます。研究は、ミジンコが炭素と窒素の循環を加速し、土壌のリン含量を増やすことを示唆しています (Ecological functions of millipedes in the terrestrial ecosystem)。これは植物の成長を支え、全体の生態系を健康に保つのに役立ちます。例えば、クロヒメヤスデは夜間に倒木上で菌類を食べ、ヤケヤスデは腐葉土を処理し、良質な土に変えます。
2. 害虫の抑制者:ゴミムシ、ヤチグモ類


捕食による害虫被害の軽減ゴミムシやヤチグモ類は地表や落葉層で小型の昆虫や節足動物を捕食します。他の生物の過剰増殖を抑制することで極端な害虫被害を軽減してくれます。
興味深いことに、ゴミムシは雑草の種子も食べ、雑草の発生を30%まで減らす可能性があることが示されています (An Introduction to Ground Beetles: Beneficial Predators on Your Farm)。これは、森林や竹林の植生管理にも寄与する可能性があります。
ヤチグモ類は地域ごとに種分化(一つの生物種が複数の生物種に分けれる現象)が盛んで、特定の生息環境に適応しやすい性質があります。自分より大きな個体も捕食することが確認されておりマツカレハも捕食するようです。
クロヒメヤスデ、ヤケヤスデ、ゴミムシ、ヤチグモ類は、分解、栄養循環、害虫制御を通じて森林や竹林の生態系を支えています。
この小さな生き物達の活動は土壌肥沃度を高め、植物の健康を保護し、全体の生態系バランスを保ちます。これらの生物がいることで、森林や竹林は健康で持続可能な状態を保てるため、彼らの存在は非常に重要です。
今回一番興味深かった事
ゴミムシの生態を把握する上でいろいろ検索していると、ゴミムシによる雑草種子の捕食などが
いろいろ出てきたのでまとめてみました。雑草抑制にも生物が寄与しているのがとても興味深いです。
ゴミムシ(鞘翅目:オサムシ科)は、様々な生態系における重要な汎用捕食者として知られており、多くのの研究が、ゴミムシが雑食性であり、雑草の種子を食餌の一部としていることが報告されており参考論文では、ゴミムシが種子散布後の雑草種子を捕食することにより、雑草の個体数を自然に抑制する重要な役割を果たしていることが強調されていました。夜行性のゴミムシは、その旺盛な食欲によって、一晩に最大1000個もの種子を消費する能力を持つ種もいることが報告されています。
例えば、森林の伐採跡地ではゴミムシの多様性が変化することが報告されており 、これが種子捕食率に影響を与える可能性があります。ゴミムシが農作物を害する害虫や雑草の種子を食べ、鳥類の重要な食料源でもあることが言及されており 、森林においても同様の生態系調節機能を持つ可能性を示唆しています。
参考文献・サイト
https://eorganic.org/node/33936
3. 生物多様性の指標となる土壌生物
継続的なモニタリングの必要性竹林管理の効果を正しく評価するには、樹木の状態だけでなく、今回のような土壌生物の動態も定期的に把握することが不可欠です。
ヤスデ類やゴミムシ、ヤチグモなどが活発に活動できる落葉層を保つことで、土壌が豊かになり、広葉樹の定着もスムーズに進みます。私たちの整備方法が、生き物たちの生息環境にどう影響するかを見極めながら、生物多様性を損なわない竹林再生を目指すことが大切です。

竹林を整備する上で、土壌生物が営む小さな営みは見落としてはいけない大切な要素です。枯葉や倒木を一切取り除いてしまうと、生物多様性は失われ、土壌も痩せてしまいます。

剪定屋空では、整備・伐採の際にも生き物との共存を意識し、落ち葉の残し方や倒木の扱いをケースごとに工夫しています。
今後もピットフォールトラップなどの調査を継続し、より豊かな自然環境づくりに貢献していきます。