新緑によく映える黄色い花は気分を明るくしてくれます。庭にある古い木に毎年咲いてくれるのは「ヤエヤマブキ」。バラ科の植物で5枚の花弁の他、たくさんの花弁がついた八重があります。
山などにも自生する植物で庭木としても栽培は容易で、半日蔭でも大きく育ってくれています。
万葉集や源氏物語にも詠まれている花なので、かなり古い時代からあったようですね。
「後拾遺和歌集」(1086年)の「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」という歌に山吹が登場しています。この歌の逸話は聞いたことのある方も多いかと思いますが、気になる!という方はぜひ調べてみてくださいね。雄しべが花弁に変化し雌しべも退化してしまうため実がなることがない、その山吹の特徴を例えにし風流に伝えた情景が思い浮かびますよ。
英名kerria、独特の鮮やかな黄色はオレンジ色がかっていて「山吹色」として色名帳にも記載されている素敵な色彩です。十二単の暈の色としても山吹色は使われていて、大判小判の色も山吹色と形容されていました。色や形からも金を連想されるのかもしれませんが、ちょっと縁起のよい色でもありますよね。花言葉は「ずっと待っていました」という控えめながらも芯の強さをもつ言葉。
可憐な花や枝葉の様子とエネルギッシュな鮮やかなカラーにぴったりの素敵な花言葉です。