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造園ユニックの手引き。初心は忘れずに

  • 執筆者の写真: 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
    三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空
  • 1 日前
  • 読了時間: 7分

ユニック車(小型移動式クレーン付きトラック)がついに納車されました。


ユニック車とは、トラックの荷台にクレーンが付いた車両のことで、庭石や植木など重い資材の積み下ろしに大活躍します。


ユニック車の仕様紹介


新しく納車されたユニック車です。見ているだけでワクワクしますよね!今回導入したのは日野デュトロをベースにした3トン積みのクレーン付トラックで、私たちの希望に合わせてカスタマイズしました。まずはスペックをざっとご紹介します。


  • 車両ベース:日野デュトロ(元積載3t) 高床・4WD仕様


ユニックショートボディー

架装前のトラックです。



ユニック架装

架装後 作業前に椿大社さんに寄らせていただき安全祈願 末長く活躍できますように。  


  • 寸法:全長 5190mm、全幅 1885mm、全高 2710mm、荷台長さ 2830mm(735mmカット)

  • クレーン:古河ユニック製 4段ブーム(ワイドアウトリガー超ワイド・リアアウトリガー)三色灯

    油温上昇警報装置 ダブルワイヤー押さえ 


  • 架装カスタム(四日市車体にて)

    • 鳥居下補強、鳥居後部腰下に1.6mm厚の普通鉄板張り

    • 作業灯

    • 90度工作差し込み式

    • 荷台床面に2.3mm普通鉄板張り、あおり内側三方(左右と後ろ)に1.6mm厚普通鉄板張り

    • 根太木(床下補強木材)角アルミ4本追加

    • アウトリガー用ストッパー格納計4箇所(前後)、後部ラインマーカーランプ1対追加

    • アオリ上縞鋼板



      ユニック カスタム



      ユニックカスタム

縞鋼板は最初つける気はなかったのですが、四日市車体さんのおすすめで付けてみると良い感じになりました。 丁寧な仕事が伺える仕様です。


荷台やクレーン周りもしっかり作り込んでもらいました。特にワイド張り出しのアウトリガーとリアアウトリガーのおかげで、狭い現場でも安定してクレーン作業ができるのが強みです。


四日市車体さんと何回か打ち合わせを重ね、使い勝手を考えた細かな工夫を盛り込んでもらいました。まさに「仕事のための一台」が完成しました。



ユニック購入への道・ゼロからのスタートと仲間の支え




実はユニック車の購入を検討し始めた当初、私たちはクレーンに関する知識はほぼありませんでした。レンタルで借りて使ったことはあるけど、実際に一から選んでカスタムした車を作ることはかなり大変な事がわかりました。架装って何をするのかなど分からないことだらけでした。


 「ユニックってどう選べばいいの?」「どのメーカーがいいの?」「アオリ工作?」というレベルで、専門用語すらチンプンカンプン。最初は何を基準に決めたら良いのか全く分からず、右も左も分からない状態だったんです。


そんな中、頼りになったのは周囲の仲間の庭師さんやいつもお世話になっている車屋さんからのアドバイスでした。先輩の庭師さんや造園業の仲間に相談すると、皆さん親身になって教えてくれました。


またSNSでも先輩庭師さん方ののユニック導入報告や使用感レビューの投稿を見つけては勉強しました。


不安も大きかったですが、逆に言えば少しずつイメージが完成していく過程は楽しくもありました。


最初は「荷台に鉄板張りなんて必要?」なんて初歩的なことから、徐々に「何トン吊りのクレーンが自分の仕事に合うか」「中古でも程度の良い出物はないか」なんて話が理解できるようになっていきました。


わからないなりにディーラーや架装業者とも話をするうち、こちらも用語に慣れてスムーズにコミュニケーションできるようになるものですね。


まさに手探りで当たり探しをするように情報収集と勉強を重ね、少しずつ理想の車両像が固まっていった感じです。そして何より心強かったのは、庭師仲間の支えでした。



現場での試行錯誤と成長




ユニック車が手元に来るまでの間にも、日々の造園現場で様々な試行錯誤を経験しました。重い石や木をを人力で転がしたり、脚立と滑車で無理やり背の高い植木をトラックに積み込もうとしたり。。。


振り返れば、現場での失敗と工夫の積み重ねが今の自分を育ててくれたと感じます。


一つ一つの経験が糧となり、「次は同じ失敗をしないようにしよう」「あのとき先輩が教えてくれた方法を試してみよう」と成長に繋がっていきます。ユニック車が無い中で苦労したからこそ、「この作業でユニックがあればどれだけ楽だろう」と痛感し、その分新しい相棒が来てくれるのを心待ちにしていたのです。



初心の気持ちと「知識の呪い」への気づき


このユニック導入の一連の体験を通じて、強く感じたことがあります。それは、初心の気持ちを忘れないことの大切さです。


最初は右も左も分からなかった自分達ですが、知識がつくにつれて少しずつ当たり前のように専門用語を使い始めている自分にも気づきました。


これは世に言う「知識の呪い(Curse of Knowledge)」という現象かもしれません。一度詳しくなってしまうと、つい初心目線を忘れてしまうんですよね。


親切にアドバイスしてくれた先輩たちも、きっと昔は僕と同じように悩んでいたはず。


しかし知識が豊富になるり、下手すると「なんでこんなことも分からないの?」となってしまいがち…そんな知識の呪いに自分も陥らないようにしたいと強く思いました。


実は、このことに気づいたのには自分の過去の経験も関係しています。私が三重に来て造園業を始めたばかりの頃、新参者ゆえに何も分からず本当に苦労しました。


土地勘もなく、お客様もゼロからのスタートで、不安で眠れなかった日もあります。


それでも色々な方々が手を差し伸べてくれ、一から色々と教わって今の自分があります。あの時の初心を忘れてはいけない、と常々思っていましたが、ユニック購入に際して改めてその思いを強くしました。


知識や経験を少しずつ積んできた今だからこそ、かつての自分のような初心だらけの時にも共感し、寄り添える心構えで常にありたいと思うんです。


「昔は自分も何も知らなかったんだ」という気持ちを持ち続けることで、今度は自分が誰かの力になれたら嬉しいですよね。



仲間と社会への温かいまなざしを忘れずに



ユニック車を迎え入れたことで、これからの仕事の幅は大きく広がります。しかし、どんなに便利な道具を手に入れても、忘れてはいけないのは支えてくれる仲間や社会への感謝です。


今回ここまで辿り着けたのも、一緒に頑張ってくれたスタッフやアドバイスをくれた庭師仲間、快く送り出してくれた家族、地域の皆様ののおかげです。


ユニック車を眺めていると、「自分一人の力で手に入れたものじゃないんだなあ」としみじみ感じます。


これからは、この相棒とともに地域の造園や自然環境の再生などにさらに貢献していきたいですし、困っている仲間がいれば今度は私たちが駆けつけて手を貸してあげられることもあるかと思います。


ユニックのアームで重い荷を軽々と持ち上げるように、自分も周りの人の力になれる存在でありたいですよね。社会に対しても常に温かいまなざしを持ち、地域の美しい庭や自然環境をを通じて恩返ししていく所存です。



初心を胸に、ユニック車と共に歩むこれから


今回のユニック車購入・納車の体験を振り返ってみて、本当に学ぶことの多い道のりでした。ユニック購入に関して知識ゼロからのスタートでも、周囲の助けや自分の試行錯誤次第でここまで来られるということを実感しました。


これからユニック車を導入しようと考えている造園業者の方がいましたら、「最初は誰でも初心者」ということを思い出してもらえればと思います。


専門用語や選定ポイントに戸惑うかもしれませんが、大丈夫、一歩一歩で確実に前に進めます。コツコツが大事です。


心強い相棒を得て、剪定屋空はこれからも進化を続けます。


同業の皆さん、そしてお客様や地域の皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、初心を胸に日々精進していきたいと思います。





I will do what I can


最後までお読みいただきありがとうございました!



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