三重県四日市市にて小川の修復工事を行わせていただきました。
小川は、河川よりも小さい自然の水路で、降水量と地下水によって景観を形成しています。小川の形成は、以下のようないくつかの自然現象の影響を受けています。
地形
地形の形状と標高は、小川の形成に重要な役割を果たしています。小川は、低地に形成される傾向があり、最も抵抗の少ない経路をたどり、谷や渓谷に沿って下流に流れます。
岩石の種類
岩石の種類によって浸食速度が異なるため、小川の流れや形状に影響を与える可能性があります。
気候
その地域の気候も、小川の形成に影響を及ぼすことがあります。降水量の多い地域の小川は、 より急速に流路が変化する傾向があります。
地質
断層や割れ目の存在など、その地域の地質は、地下水の流れや浸食のパターンに影響を与えることで、小川の形成に影響を与える可能性があります。
人間活動
土地利用の変化、ダム建設、森林伐採などの人間活動も、自然の水収支を変化させ、流量や堆積のパターンに変化をもたらすことによって、小川の形成に影響を与える可能性があります。
自然の状態では、小川は通常、侵食と堆積の力によって安定した流路形状を維持する状態にありますが人間の活動や大量の豪雨などによりバランスを崩し小川の流路に変化をもたらすことがあります。
今回の小川の損壊は去年の大雨による影響で大量に土砂が流れ込んでしまった状態でした。
流路を元に戻すためにはもとの深さや幅などを把握しながら土を掘り取りしていきます。季節ごとの流量の変化なども把握しておくと管理はしやすくなります。
小川を自然の状態に戻すことが、小川の健全性と安定性を確保するために必要な場合があります。小川修復には入念な調査も必要になります。
被災した河道の評価を実施し、被災の程度、原因、解決策の可能性を判断する。
望ましい河道の形状と修復のための詳細な設計を作成する。
浸食を防ぎ、修復作業のための安定した基盤を作ります。
浸食を防止し、水の流れを良くするために、必要に応じて河道を自然の流れに合わせながら土嚢や浸食防止構造物などを設置する。
土壌を固定し、野生生物の生息地を提供し、浸食を軽減するた めに、小川の土手沿いにどのような植物が生えているか調査し再生可能かどうか判断する。
復元された小川の水路の安定性と健全性を維持するために、定期的な維持管理プログラムを実施する。
復元された河道を定期的に監視し、その健全性を評価するとともに、追加工事が必要な箇所を特定する。
施工後は土留になる植生が定着しておらず、掘り取りした土は植生土嚢にして土手部分に積む。
小川の砂礫や底土の粘土層が掘り取りの指標になる。また、元の地形部分には埋土種子が多くある場合があるので、植生の回復が早く進む。
小川では、自然の状態では水と土砂は絶えず移動し、水路、砂州、淵の形状を変化させています。
特定の場所で水の流れが緩やかになり、水深が増し、より深い静水域が形成されるため、水溜まりが形成されることがあります。小川に水溜まりができる理由はいくつかありまが大きな岩や巨石のような自然の障害物があると、水の流れが妨げられ、水の流れが遅くなったり、深くなったりするためです。また、侵食や堆積など、小川の底や流路が変化して水の流れが変わることでも、水たまりができることがあります。(今回は土嚢を設置)
右下から緩やかにビオトープに水が流れ込むように、土嚢を設置して水流をコントロールします。
砂泥の流下を抑える為に沈砂池(ちんさち)なども作る。
人間の手を入れて管理する事で生態系をうまく管理できる場所も数多くあり、このビオトープ内では希少な動植物も生息しています。三重県でも多くのビオトープがありますが管理不足で荒廃してしまっているところもあり、外来種の侵入も多くあります。
冬眠していたシュレーゲルアオガエル。人力とユンボ を合わせる事で貴重な命も守れます。
少しでも多くのビオトープを健全な状態に維持する事でそこでは様々な生き物達が活動し生物多様性保全の観点から見ても貴重な場として残していければと私たちは考えております。
三重県でビオトープの管理や生物調査などお気軽に剪定屋空までご相談ください。