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都市部で減少する鳥たちの巣を守る!改修後の巣箱設置がもたらす効果とは?

執筆者の写真: 三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空三重県剪定伐採お庭のお手入れ専門店 剪定屋空

都市部では、建物の改修が進むことで鳥たちの営巣環境が大きく変化しています。特に、スズメやムクドリ、ツバメといった鳥たちは、これまで屋根裏や建物の隙間に巣を作っていましたが、断熱工事やリフォームによって巣の場所が失われ、生息数が急減しているのが現状です。


都市部で減少する鳥たちの巣を守る!改修後の巣箱設置がもたらす効果とは?


この問題を解決するために、建物の改修後に巣箱を設置することで鳥の個体数を回復させるという研究が、ポーランドのオルシュティン市で行われました。本記事では、その研究結果を解説するとともに、木鳥商店が取り組む巣箱の制作についてもご紹介させていただきます。


建物改修による鳥の減少



研究では、2010年から2016年の5年間にわたり、建物改修が鳥に与える影響と、巣箱の設置による個体数の回復を調査しました。


その結果、改修直後に以下のような個体数の減少が確認されました。

鳥の種類

改修前の個体数に対する減少率

スズメ

66%減少

ニシコクマルガラス

68%減少

ホシムクドリ

70%減少

ヨーロッパアマツバメ

100%消失

特に、アマツバメのように建物の隙間を営巣場所としていた鳥は完全に姿を消し、都市部での生息が困難になりました。



巣箱設置による個体数の回復


改修後に鳥の営巣場所を補うため、132個の巣箱を16棟の建物に設置しました。巣箱の設置後、鳥たちが再び繁殖し、5年後には以下のような回復が見られました。

鳥の種類

回復率(改修前の個体数に対する割合)

スズメ

50%

ムクドリ

60%

コクマルガラス

55%

特に、スズメやムクドリは巣箱を積極的に利用し、徐々に個体数を回復させました。ただし、アマツバメは巣箱をあまり利用せず、他の鳥が先に占領してしまう問題が発生しました。


巣箱の設置ポイント


研究から分かった、効果的な巣箱の設置ポイントを紹介します。


  1. 鳥の種類に応じた巣箱のサイズ・形状を選ぶ

    • スズメやムクドリは大型の巣箱を好む傾向あり。

    • アマツバメは競争が激しく、専用の巣箱を確保する必要がある。


  2. 巣箱はグループで設置するのが効果的

    • 群れで営巣する鳥にとって、単独の巣箱よりも複数設置が有効。


  3. 設置場所に工夫を

    • 方角(北・東・南・西)に関係なく利用されたが、安全な高所に設置することが重要

    • 建物の隙間を利用しやすい環境を作ると、巣箱と併用される可能性が高まる。


  4. 定期的なメンテナンスが必須

    • 巣箱を清掃し、適切に維持しないと利用率が低下する。


木鳥商店の「人工巣洞」 – 野鳥のための住まいづくり


木鳥商店の「人工巣洞」 – 野鳥のための住まいづくり


剪定屋空が運営する「木鳥商店」では、野鳥の営巣を支援するための「人工巣洞(じんこうすどう)」を製作・販売しています。人工巣洞とは、自然の樹木の空洞を再現した巣箱のこと。



人口巣洞


木鳥商店の人工巣洞の特徴

  • 伐採木を活用して作られた、環境にやさしい巣箱

  • スズメやシジュウカラなどの鳥が好む自然な形状

  • 木の年輪や皮を活かしたデザインで、野生の環境に溶け込む


木鳥商店の活動と今後の展望


木鳥商店では、巣箱の提供だけでなく、「鳥の営巣環境を守るために何ができるか?」を考え、持続可能な自然環境づくりに取り組んでいます。


また、剪定作業で発生する木材を無駄にせず活用し、「木の命をつなぐものづくり」を大切にしています。


鳥たちの生息環境を守るために、一緒にできることを考えませんか?



建物改修によって都市部の鳥たちの巣が失われる問題は、巣箱の設置によって一定の回復が可能であることが明らかになりました。しかし、鳥の種類ごとの好みに合わせた巣箱の設計や、適切な配置が重要になります。


木鳥商店では、こうした都市部の鳥の問題に対して、人工巣洞を通じた支援を行っています。都市に生きる鳥たちのために、自然環境の再生を考え、持続可能な社会を目指していきます。


人工巣洞の詳細はこちら 木鳥商店オンラインショップ


剪定屋空の活動について剪定屋空公式サイト



参考文献


Dulisz, B., Stawicka, A. M., Knozowski, P., Diserens, T. A., & Nowakowski, J. J. (2022). Effectiveness of using nest boxes as a form of bird protection after building modernization. Biodiversity and Conservation, 31:277–294.


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