「雑草の生き残り大作戦」という画像も多く文章も読みやすい子どもの科学ブックとして出版されている植物本ですが、雑草（と呼ばれる植物）がどんな工夫や作戦をもって子孫を増やし続けているのか、繁殖力や生命力の高さ、その賢くたくましい生きるためのワザについて、さらに2023年時点での雑草の進化についてなど広く深い内容が書かれています。
作戦4 進化する! もっと使える!田畑や都市で進化する雑草 農業に革命!?
香りで会話する!? 香りで虫と戦う!?
まだまだある セイタカアワダチソウのふしぎな力
…大人でもちょっと興味がわいてきませんか？
植物博士でサイエンスライターの著者は「タンポポ」の進化や生態が専門ということもあって、タンポポについてのページも濃い内容。
セイヨウタンポポと日本由来の在来タンポポ、そして雑種タンポポの見分け方は目からウロコ。意外にも日本はタンポポの品種が多い国で在来タンポポは20種類と品種数も多く日本固有種ではカントウタンポポやカンサイタンポポなどが知られています。
また1年に繰り返し何度も咲くセイヨウタンポポの強い性質を利用した遺伝子レベルでの研究で農業に画期的な革命が起こるかも、というお話も。
牧野富太郎博士と植物観察についても紹介されています。
道端やお庭のすみにある植物、普段は目に留めることがなかったり厄介者扱いだったりの雑草もこんなスゴイ性質と実力を知れば見る目も変わるかも。お子さんの夏休みの自由研究のヒントにもおすすめですよ。
ワザあり! 雑草の生き残り大作戦: かしこく、たくましく進化しつづける (子供の科学サイエンスブックスNEXT)