三重県菰野町でケヤキ(欅)やコナラなどの落葉広葉樹の高木で、樹高が著しく上昇し、以下のような問題が生じていました。
過度な日照の遮断による住環境への影響
建築物(外壁)への物理的な接触リスク
強風時の倒木・枝折れの危険性増大
今回は冬季(樹木の休眠期)に、樹高を約50%程度まで低減する強剪定を実施いたしました。通常は以下のような段階的な管理を推奨しております:
数年かけての計画的な樹形誘導
定期的な予防剪定による適正樹高の維持
自然樹形を活かした景観管理
しかしながら、本事例では安全性の確保を最優先に考え、一時的に強い剪定を選択させていただきました。切る口にはラックバルサンを塗布後させていただきました。ラックバルサンは、樹木の剪定や損傷後の切り口を保護するための専用の人工樹皮です。この製品は、塗布すると乾燥して固まり、自然の樹皮のように切り口を覆います。これにより、樹木が腐朽菌や害虫の侵入から守られ、健康を維持する効果があります。
強剪定後の回復過程では、以下の点に特に注意を払って管理を進めます。
萌芽(ほうが)の適切な選定による新しい樹形の誘導
根系の健全性維持のための土壌管理
定期的な生育状況モニタリング
必要に応じた施肥や土壌改良
今後の管理においては、樹木本来が持つ生命力と特性を最大限に活かしながら、適正な樹高と枝張りのバランスを保ち、建築物との調和のとれた距離感を維持してまいります。
特に、四季の移ろいを感じられる景観づくりを重視し、春の新緑、夏の緑陰、秋の紅葉、冬の樹形美など、それぞれの季節ならではの表情を引き出す管理を心がけます。このように、安全性と美観の両立を図りながら、お客様の大切な樹木を末永く守り育ててまいります。
剪定屋空では、一時的な対症療法だけでなく、長期的な視点での樹木管理を提案しております。樹木は生きた資産であり、適切な管理により、その価値を最大限に引き出すことができます。
今回の強剪定は緊急的な対応でしたが、今後は計画的な管理により、お客様の大切な樹木の健全な育成をサポートしてまいります。また、定期的なお庭管理と予防的な管理により、このような強剪定を必要としない、持続可能な庭園管理を実現してまいります。