2024年8月末、スーパーのお米売り場が空になり“何軒もはしごしてやっとコメを手に入れた”“40%値上がり”などの連日報道。9月後半には新米が出回りはじめましたが、価格が2倍という銘柄、またコメ泥棒のニュースも報じられました。
「令和のコメ騒動」と呼ばれたこの事象、不可解に感じる方も多かったはず。個人的にも“日本人のコメ離れ”“コメ余り”というイメージが根付いていたので、大災害時でもない時期に「コメがない」報道に驚きました。
メディアが原因としてとりあげたのは<インバウンドでコメの消費増><昨年の猛暑による不作>さらに<おにぎりブーム>も。
他に南海トラフに供えた心理的買いだめもあったようですが、数字から真偽を拾ってみると、インバウンドやおにぎりブームの影響は1%以下という見解が多く、不作に関しても2023年産コメの出来具合を示す「作況指数」は101で平年並み。「平成の米騒動」を招いた1993年産米の作況指数は74ということなので、凶作というわけでもなさそうです。
政府の備蓄米放出について賛否意見もありましたが、50年続く減反政策が根本原因との見方も多いようです。
イネは日本国内で生産、備蓄もできる優れた植物ですが、そもそも農作物を含む植物が育つには長い年月と適した環境が必要でヒトの都合で即時に増やしたり減らしたりできるものでもありません。
令和のコメ騒動···本当の理由はどこにあるのでしょう?真偽はわかりませんが、今回の騒動で日本の食料自給率や農業問題に目が向けられた気もします。消費者側もメディアに煽られることなく穀物·植物全般のことを「考える」必要がありそうです。