秋から冬にかけ小さな赤い実をたくさんつけるクロガネモチの樹。
常緑の光沢のある濃いグリーンの葉に赤い実が映え、冬の時期を彩ります。この画像は街路樹として植えられている樹の様子ですが、庭木にも多くシンボルツリーとしても好まれる植物ですね。
クロガネモチ(黒鉄黐):モチノキ科 、モチノキ属。原産地は日本、朝鮮半島南部、台湾、中国、ベトナムなど。
あまり目立ちませんが5月~6月には薄い白紫色の花を咲かせます。樹高は大きなものでは15mほどにもなる常緑樹なので剪定はしっかりと。
観賞樹木としても優秀な植物ですが、庭木として好まれる理由のひとつは「縁起が良い樹」として扱われていること。
クロガネモチの別名、フクラシバ、フクラモチ=福来の連想。クロガネモチ=苦労がない金持ちの語呂合わせも、ナルホドという感じです。
また季節を通して青々とした葉を絶やさず、寒い時期にも赤い実をつける植物は「富」や「繁栄」の象徴。お正月飾りにも使われる南天や千両、万両のように縁起もよいとされます。
グリーンとレッドはクリスマスカラーでもあり冬の彩りにピッタリですね。
クロガネモチは雌雄異株の樹木ですが、雌株単体でも結実する性質があり、通常実をつける雌株だけが生産、流通しているそうです。もしクロガネモチに実がならない…という場合は流通的には希少?な雄株なのかもしれません。
クロガネモチ以外にも雄雌同株、異株、花をつけたり実をつけなかったり…と植物によって性質のパターンは様々、解明されていないことも多い植物の生態は不思議です。
冬でも鮮やかな縁起の良い紅い実、街路樹や散歩道に見つけてみてくださいね。