シュッとのびた茎と細長い葉、茎先に黄土色の長い花穂と葉をつけると遠目にはまるで線香花火のようなカタチにもみえる「カヤツリグサ」。
いわゆる雑草、田んぼの稲にとっても困った存在なので、除草や草取り対象にされることが多いようですが、イネ科とカヤツリグサ科は遺伝的に同じグループ(イネ目)で親戚のようなもの。穂が出る前の姿は見分けにくいですね。
特徴的なのは茎でイネの茎は丸い断面、中は空洞。カヤツリグサは茎の断面が三角形、中は詰まっています。
道端や草むらにある身近な植物なので、カヤツリグサで草遊びをした想い出がある方もいるのでは?切った茎の片側を1人が、反対側をもう1人が持ち真ん中に向かって裂いていくと…うまくいけば四角形が完成。キレイな四角形ができたら「相性◎」という相性占いです。
子どもの草遊びなのですが、コレ意外にコツがいるようでまあまあ難易度高め。まぁ、うまくいくまで何度も遊べる相手なら、占うまでもなく相性よい関係なのかもしれません。カヤツリグサを見かけたら、童心に帰ってチャレンジしてみてはいかがでしょう。
そしてカヤツリグサ(蚊帳吊草)という名前の由来もこの茎が四角形に裂けるカタチが蚊帳に似ていることが由来。ひと昔前の田舎の家では蚊に刺されないよう、よく寝室に蚊帳を吊って寝ていたものですが今の若い世代の方は知らない人が多いのかも。
天上から吊るしたネットで囲まれた空間に布団を敷いて寝るのは、なんだか非日常感があって楽しかった記憶が想い出されます。
カヤツリグサ(蚊帳吊草)(カヤツリグサ科カヤツリグサ属)原産地 日本/朝鮮半島/中国 6~10月に開花