金盞花(キンセンカ):キク科キンセンカ属、地中海沿岸原産。
輝くようなオレンジ色や黄色の花びらを持つ金盞花(キンセンカ)は、本来春に開花するものの、12月から5月にかけて長期間にわたって咲き続け、冬の花壇に色彩を添える人気の植物です。
その学名はCalendula officinalisで、ポットマリーゴールドという英名・流通名でも知られています。
カレンデュラはエディブルフラワーやアロマオイルとしても利用されるハーブで、観賞用の園芸種も多く存在しますが、ハーブとして使用する場合は専用に栽培されたものを選ぶことが推奨されます。
カレンデュラの名前は、古典ローマ時代に月の周期と関連づけられ、ラテン語のKalendae(月の最初の日)に由来しています。これは、カレンデュラが自然のカレンダーと見なされ、天文学的なつながりや魔法の力を持つとされたことを示しています。特に、カレンデュラが年の始まりや終わり、変化を象徴する神、ヤヌスと関連付けられていたことや、日の出で開花し日没で閉じる特性は、その神話的背景を物語っています。
黄橙色の品種は特に、薬用植物としての認知があります。カレンデュラは日当たりの良い場所や排水の良い貧弱な土壌でも容易に育ち、「太陽の花嫁」としても称されます。鮮やかな花は、ホバーフライや蝶を引き付ける香りを放ちます。
カレンデュラの効能には、皮膚や粘膜、肌のトラブル修復、抗菌、抗ウイルス作用があり、「万能ハーブ」とも呼ばれます。さらに、感情を落ち着かせる効果や、女性の月経不順への効用も伝統的に知られています。太陽とともに開花することから、「太陽の花嫁」「太陽のエネルギーを持つ守護力の強い花」とも称され、カレンデュラの花冠を玄関に吊るすと悪い気から守られるといったスピリチュアルな信仰もあります。
一方で、金盞花の花言葉には「悲観」「絶望」「失望」「別れの哀しみ」といったネガティブな意味が並びます。これには太陽神アポロンに恋をしたニンフの神話や、中世において黄色い花が不吉とされた名残が関係していると言われています。しかし、このような悲観的なイメージに反して、カレンデュラは太陽のエネルギーを象徴し、多くの文化や伝統においてポジティブな力を持つ花として尊ばれています。
この植物はその名前と特性を通じて、時間の経過、変化、再生を象徴しており、長年にわたり様々な文化や伝統に影響を与えてきました。マリーゴールドは、過去から現代に至るまで、人々の生活に色と意味を加え続けています。 日本では冬場でもよく育ち、開花期間が長いため仏花・供花の切花にされます。仏花のイメージも影響しているのかもしれませんね。
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