ハギ、ススキ、クズ、カワラナデシコ、オミナエシ 、フジバカマ、キキョウ…秋の七草のひとつ「桔梗(キキョウ)」。清楚な佇まいに紫の花びらが美しく万葉の古来より人々に愛された花です。
現在放送中のNHK大河ドラマ「光る君へ」に登場する清少納言も幼名「ききょう」という名で登場していますね。この時代の女性の本名は明かされることがほぼなかったため創作名と思われますが、凛としたクールさと知性ただよう清少納言のイメージにも重なるようです。
桔梗というと家紋にもその図案が多く、美濃の土岐氏族や明智光秀の家紋としても有名。桔梗の花を図案化した「桔梗紋」は、桔梗という文字が「更に吉」という文字で構成されていることから縁起がよいとされている人気モチーフなのだそう。少し調べただけでも花や茎のシルエットが図案化された桔梗紋は100種類を軽く超えて見つかるので、その人気ぶりが伺えますね。
花の形を模したものが多いですが、中にはその5枚花びらをシンプルに図案かした星のカタチ、五芒星(ゴボウセイ)の紋も桔梗紋。ドラマにも登場する有名なあの陰陽師 安倍晴明が魔除けの呪符として使用したことで有名な陰陽五行(木・火・土・金・水)5つの元素の相克を表す「清明桔梗(せいめいききょう)」もそのひとつ。
京都の清明神社では紋とゆかりのある桔梗の花が11月初旬ごろまで咲き続けるのだとか。耐寒性耐暑性が高く、開花期も長い強い性質、花の美しさ、そして縁起のよい名前、好要素を兼ね備えた植物です。
桔梗(キキョウ):キキョウ科 / キキョウ属 原産地:日本・東アジア 別名にアリノヒフキ、ボンバナ、ヨメトリバナ