木材の乾燥には様々な方法がありますが、今回は水中乾燥について調べてみます。
水中乾燥とは、丸太の状態で約半年から1年間水に浸けておき、その後、丸太を水からだし再び約半年から1年間かけて乾燥させるという方法です。
水に沈めることによって、樹液成分や樹木の中のゴミが水の中に出て、より水分が抜けやすくなるという木の性質に変化を起こします。伊勢神宮などの20年に1度の建て替え(式年遷宮)に使う材木は3年も丸太のまま水につけているそうです。
水から上げて、丸太のまま立て掛けておくだけでどんどん水分は抜けますが、実際に材料として使用できるところまで木を落ち着かせるのには、また半年から1年の歳月が必要になります。
1度水につけてから乾かすという、水中乾燥材には適度な養分が残り、木質繊維が破壊されずに結合水を抜くことができ、後からの材木の割れや収縮がとても起こりにくいという特徴があるそうです。
昔は山で丸太を使って筏を作り、川を下って材を運んでおり、それはただ単に、物流ということだけでなく、水につけるという乾燥技術を重ねた素晴らしい運搬方法だったこともあり、全国の池や沼地に貯木場があり至るところで実施されていたようです。
水中乾燥は素晴らしい技術で、木にとっても、優しい優れた乾燥方法ですが、最も乾燥に時間がかかる方法で、池や乾燥場というたくさんの場所が必要になります。
水を含んだ丸太は通常の丸太の1.5倍程の重さになると言われており、とても人力では動かせないので、レッカー車なども必要となり、それらの車が横付けできるタメ池の確保や、水質の問題、様々な要因が重なり水中乾燥という技術は市場ではほとんど使われることがなくなってしまいました。
微力ですが木工に水中乾燥という技術を取り入れ、昔の人の知恵が詰まった素晴らしい日本の技術を少しでも伝えていきたいです。
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