庭（ガーデン）で植物を育てる愛好家のことをガーデナー。では、庭はないけどベランダで植物を育てている愛好家のことは・・・？
第15回講談社エッセイ賞受賞、いとうせいこう著「ボタニカル・ライフ」から登場した「ベランダー」という名称。広い庭がなくたって、マンション暮らしの人だって、家で、ベランダで、鉢やプランターで植物を育てたい。ガーデナーとはひと味違う、自称ベランダーである著者の愛と屈折に満ちた？植物愛満載のお話です。
元々は著者が仕事ではなく、自分のホームページに執筆をはじめ締切もなければ内容指示もない自由なスタンスで書き続けていた文章。植物の生態を詳しく紹介するわけでもなければ、育て方について指南するわけでもなく、時に神経質なほど熱心に、時に植物任せで適当に・・・？と興味と熱の赴くまま、気の向くままのつかず離れずの距離感がほほえましくおもしろい異色のボタニカル本。
この話を原作として、2014年～2016年にはＮＨＫドラマ「植物男子ベランダー」のseason1が放送。2015年にはseason2、2016年にはseason3、さらには2018年には「よるドラ アンコール枠」でも放送されていた知る人ぞ知る人気番組でもあります。
（現在は未放送ですが）主演の田口トモロヲさんがベランダの植物に囲まれている番組紹介画像は、まさに本のイメージにぴったり。
原作とは設定が異なるようですが、ぜひドラマの再放送も期待したいところです。
道で拾ったアロエやアボカドの種、ジャコバサボテンや水草に埋もれた金魚の顛末は…シニカルでユーモアたっぷりの植物愛溢れる「ボタニカル・ライフ」ちょっとのぞいてみませんか？
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