葉がまだ落ちずに黄色く紅葉しているこちらはイヌシデという植物です。漢字で書くと「犬四手」となります。
皆さん、四手をご存じでしょうか。しめ縄に付ける白い紙を四手といいます。イヌシデの果穂が四手に似ていることから、シデと名前がつきました。では「犬」はどこから来ているのでしょうか。この植物、どこも犬っぽくはありませんよね。
植物の名前は時々「犬」が付くことがあります。イヌホオズキ、イヌタデなどです。実は犬とついていても、あのワンワンと吠えるかわいい犬とは無関係なのです。植物の名前で使われる犬には、「違う」、「役に立たない、劣る」という意味があるのですよ。
話をイヌシデに戻します。シデにはイヌシデ以外に、アカシデなど他にも美しい植物があります。他のシデは赤く紅葉するなど美しく、イヌシデはそれらとは「劣る」シデである、「異なる」シデであるという意味で、「犬」とつけられました。
動物の犬がこのことを知れば、怒ってしまうかもしれませんね。ぜひ植物の名前で「犬」がついていたら、ちょっと名前の由来にも意識してみてくださいね。