秋のお彼岸に赤く色づいて咲く彼岸花。短い開花期間ですが真っ赤に染まるように群生して咲く場所もありますね。そんな中「白い彼岸花」もあることはご存じでしょうか?
九州地方では田んぼの畔や道端に見かけることもありますが、九州以外ではあまり自生はなく、栽培し観光地として公開されている場所は神奈川県 常泉寺(じょうせんじ)、埼玉県 所沢牛沼、福岡県 正光寺(しょうこうじ)などがあるようです。
開花時期は9月~10月、赤い彼岸花の突然変異?と思われることも多いですがシロバナマンジュシャゲという別の品種。赤い彼岸花(L radiata)とショウキズイセン(ショウキラン)(L. traubii (L. aurea) の自然交配で誕生した種だといわれています。
白色と言っても花びらの色は真っ白ではなく、白地にピンクや黄色の筋が入る混色で遠目にはクリーム色に見えるカラー。まとまって咲くとふんわりと優しい色合いになるので赤い彼岸花とはまた違う印象です。
自生が少ない理由は性質的に繁殖力が弱いこと、赤い花の強い性質に負けてしまうので結果的に数が少なく白花は珍しい花となっているのですね。
「白い彼岸花は不吉」「縁起が悪い」と感じる人も多いようなのですが、その理由は赤い彼岸花同様にお彼岸の時期に咲くことから「死」を連想させる、アルカロイド系の毒をもつ、ということ、さらに赤い花の中に白い異質の花が咲くビジュアル、白花の希少性、ということが関連しているようです。
花言葉にも「また会う日を楽しみに」や「想うはあなたひとり」といった少し切ないイメージもある言葉が並んでいます。
シロバナマンジュシャゲ:ヒガンバナ科 学名Lycoris ×albiflora