菊は日本を象徴するような花。皇室の紋章やパスポートの表紙にもデザインされた馴染み深い植物ですね。古くは平安時代にも高貴な花として宮中で人気を呼び、以来日本で広く愛される花となりました。
そんな菊ですが、ここ最近「マム」と呼ばれる、見た目は菊のような花、増えていますよね。ポットマム、ガーデンマム、スプレーマム…マムと菊は同じ花?呼び方が違うだけ?と気になるところ。調べてみるとマムは幕末の頃、日本の和菊を持ち帰ったイギリス人から欧州に広まり品種改良された花。
1980年代に日本に逆輸入?され新しい品種として帰ってきた経緯があるそうです。
昔からある日本の菊と区別するため「洋菊」の呼称や学名であるChrysanthemum(クリサンセマム)の略称として「マム」と呼ばれるようになりました。マムはラテン語では「黄金の花」を意味し、またマム=おかあさんの意味も含めオーストラリアなどでは母の日の花にもなっています。
どの品種も華やかで可愛らしさと美しさを備えたマムですが、画像のスプレーマムはアメリカで誕生した品種で1つの茎にたくさんの花をつける小ぶりながら華やかさもある人気種。カラフルな色合いとアネモネ咲きやポンポン咲きなどスタイルも豊富、切花の他ドライフラワーにもおすすめです。
日本で最初に栽培導入したのは愛知県なのだそうで、電照栽培で年間を通して出荷され全国1位の栽培量。県の花にもなっています。
JAあいちのサイトで長持ちする方法として紹介されているのは「茎を手で折る」こと。ハサミでカットするより水アゲがよくなり長く楽しめるそうですよ。
秋のマムを飾る際はぜひお試しくださいね。