白い花びらに中央の黄色、根元はほんのりピンク。細い枝に並んで咲く小さな花…、何の花でしょう…？
冬には真っ赤な実をつける縁起植物「南天（ナンテン）」の花です。果実姿ほど注目はされませんが、梅雨時から夏にかけてのこの時期、控えめながらかわいらしい花を咲かせています。
赤い実は南天のど飴でもおなじみの喉の漢方薬の原料としても知られ、葉にも防腐作用があり赤飯や魚料理に添えられることもあります。
名前の音から「難を転じる」に通じる縁起植物として、また江戸時代には火災除けとして庭木や生垣に植えられるようになった樹木です。邪気を払うとされる魔除け、厄除けの意味合いも強く、ひと昔前には鬼門対策（陰陽道で鬼が出入りする「丑寅（うしとら）」（北東）の方向、対角の南西も「裏鬼門」とされる）に植えたというお庭も多いのでは。千両や万両などもそうですが真っ赤な実がついた枝は縁起や厄除けの意味をもつものが多いですね。
どうしても赤い実が注目される南天ですが、花言葉には「私の愛は増すばかり」という情熱的な言葉もつけられている白い花も魅力的。
半日陰地でも育ち水の心配もほぼ不要、さほど手をかける必要もないですが常にスッキリと剪定して整えておけば運気も上がりそう。初心者にも育てやすい樹木なので、かわいらしい赤い実と初夏の白い花の鑑賞、そして厄除け効果をいただける南天を育ててみてはいかがですか？