道端に、足元に、よくよく見ると小さな花が咲いている。そんな花のひとつ「フラサバソウ」です。
私が近所で見かけた花は白色に近い薄い紫色といった花色でしたが、陽当たりによって色の濃度も変わるそうで、もう少し紫色が強い花もあるようです。
青色の小さな花オオイヌノフグリにもよく似ていますが、サイズ感はさらに小さめで葉やツボミの周りにはフワフワとした長めの毛が生えています。
フラサバソウ:オオバコ科クワガタソウ属、ヨーロッパ原産の帰化植物で日本では本州から九州の広範囲に育ち、空き地や道端、庭の隅にもたくましく増える強い性質の植物。
名前はメジャーではないようにも思いますが、春の道端系?の草花では、オオイヌノフグリ、イヌノフグリ、タチイヌノフグリ(イヌの名揃いですね)と並んでポピュラーな草花となっています。
「フラサバ」の名前は日本で最初にフラサバソウを発見、記録したフランス人研究者のフランシェさんとサバチェさんの名前からとられたそう。フラ+サバ+草(ソウ)という命名ですね。
お2人が長崎で採取し、1875年に刊行した共著「日本植物誌」に登場した植物でしたが、その後なかなか実植物は見つからず、日本名がついたのはそのずっと後のことなのだそうです。
秋から冬にかけて発芽し、真冬でもたくましく成長を続け早いものではまだ寒い2月頃にも開花、柔らかい茎を伸ばして地面を這うように伸び花や平べったい果実をつけ、種を残してゴールデンウィーク頃には枯れてしまいます。
かなり旺盛な繁殖力で雑草扱いにもなっているフラサバソウですが、ぜひ春の日差しの中可愛らしく咲いている小さな花にも目を留めてみてくださいね。