令和5年12月9日に行われた鈴鹿川等源流の森林づくり講座第3回に参加させていただきました。
講師は自然配植技術協会会長の高田研一先生で、以前津市で行われた災害に強い森づくり講座や自然配植の講座にも参加させてもらった事があります。
三重県亀山市にある野登山は全国的にみても大変貴重な杉の巨木郡などがあり、山頂付近におけるスギの生育状況が特異であるとされています。
このような特異な生育環境は、特定の地理的、気候的、土壌的な条件によって形成されることが一般的です。例えば、山頂付近では、気温、湿度、風の影響、土壌の種類や栄養状態が平地とは大きく異なり、これらの要因が組み合わさって特定の植物種にとって理想的、あるいは非常に困難な生育条件を作り出します。
この場合、スギが非常に長寿で巨大に成長することは、その生育環境が独特であることを示しています。
講座ではスズタケについても触れられており、昔はかなり繁殖していたようでしたが、今では鹿の食害による影響が強くほとんど見られなくなってしまっているそうで、雨乞いの祈願や、苗場に札をまつるなどの習わしの中でササを使用していた歴史があり、この地域にとってとても大切な役割を果たしていたそうです。
スズタケだけに関わらず、日本全国で鹿の採食圧に伴う被害は拡大しているようで、森林内に共存する樹種のバランスと多様性を考慮しながら食害対策も行いながら、自然に鹿の頭数がバランスを取れる事が一番大事だと感じました。
また、森林や自然の中の不均衡の美についてもとても勉強になりました。 植物の不規則性には魅力があり、植物はクネクネと不均衡に枝を出しているように見えますが、植物はそこで有機的な均衡を保っている。枝の流れや角度には多様性があり、この柔軟性には優美さがあり、バランスを保ちながら一度にさまざまな方向に伸びる。
野性的で生き生きとした植物の成長を私達は美しいと感じ、「こうあるべき」という人間の理想に沿わない植物達の力強さが、私達をよりいっそうに虜にさせるのだと思う。
植物や自然に触れさせていただく仕事を通してますます動物や植物の魅力を感じ憧れを持つようになりました。
自然に嫌われたら私達の仕事はない。だからという訳ではないが自然をいつまでも好きという気持ちを忘れないように。