先日、鈴鹿市小岐須町にある森林組合様にお伺いさせていただきました。
山林の整備や活用方法を模索されているようで、ご提案も含め山林活性化に向けた
プロジェクト構築の打ち合わせにお伺いさせていただきました。
森林の保全と活用について考える時、非常に重要なのは地域の人々が森林と関わることの意義を理解し、積極的に関わりたいと思う環境を作ることがまずは大事です。
森林を理解する上でもなぜ森林の手入れが必要なのかについてもお話しさせていただきました。
なぜ森林整備が必要か?
森林整備は、森林の健康を維持し、生態系を保護するために不可欠です。整備されていない森林では、枯死木や不適切な種の侵入により、森林の健康や多様性が脅かされます。また、森林は私たちの生活にとって重要な役割を果たしています。例えば、水源の保全、二酸化炭素の吸収と酸素の供給、土壌の侵食防止、そしてレクリエーションの場としての機能などです。これらの役割を維持するためにも、森林の健全な管理と整備が必要です。
なぜ持続的な手入れが必要か?
持続的な手入れがなければ、森林の健康が徐々に衰えてしまいます。木々の成長や種子の散布、動物の生息パターンなど、森林は常に変化しています。持続的な手入れを行うことで、これらの変化に適切に対応し、森林が健康であり続けることが可能になります。また、森林の健全な状態は、私たちの生活環境や気候変動の緩和にも寄与します。
森林整備を行うことで、何が得られるか?
地域にとって森林は重要な資源であり、その保全と活用によって多くの利益が得られます。整備された森林は、観光資源としての価値が高まり、地域経済の活性化につながります。また、森林から得られる材木や植物は、地域産品として販売することも可能です。さらに、森林の美しい景観や豊かな自然は、地域の魅力を高め、新たな住民やビジネスを引き寄せる可能性もあります。
上記の基本的な森林の仕組みなどを理解していただき、これから長く山と地域の方達が関わるにはどのような事が大事かをデスカッションしました。
森林整備の前に重要になってくる、合意形成もお話しさせていただき下記の事をお伝えさせていただきました。
地域全体での共有会開催: 最初のステップは地域の人々に対する説明会です。小岐須森林組合と共に、山林の現状、将来的な可能性、そしてそこで働くことの重要性を説明する機会を設けます。この段階では、地元の学校や公共の場所で開催し、広く参加を呼びかけます。
森林簿作成: 説明会の後、各所有者と一緒に山の境界を特定し、森林簿を作成します。この過程は時間と労力がかかりますが、所有者が自分の山を正確に把握する第一歩となります。
森林活用ワークショップ: 次に、各所有者が自分の山をどのように活用したいかを共有するワークショップを開催します。この段階で、シキミ林の整備や杉や檜の材の販売など、過去の成功例や新たな可能性を共有します。
実際の作業開始: ワークショップの後、具体的な作業を開始します。まずは、共有の意見や提案に基づいて、シキミ林の整備や森林の清掃など、初期段階の作業を行います。この段階では、森林の専門家を招いて、適切な手法と安全対策を学ぶ機会も提供します。
定期的なミーティング: 作業が進行するにつれて、定期的にミーティングを開催し、進行状況を共有し、必要なら計画の調整を行います。
地域資源の活用(続き): 地域資源の活用には、シキミや杉、檜の材を地域内で販売するといった活動に加え、地元のレストランやカフェでシキミを使用した料理を提供するなどの活動も考えられます。また、森林に関するイベントやワークショップを開催することで、観光客や地域外の人々を引き寄せ、地域経済の活性化にもつなげることができます。
教育プログラムの提供: 小学校や中学校と連携して、森林教育プログラムを提供することを検討します。学生たちは自然と触れ合う機会を得るとともに、森林の大切さを学ぶことができます。また、これによって家族や友人にも森林の重要性を伝え、地域社会全体の関心を高める役割も果たせます。
定期的な評価とフィードバック: プロジェクトが進行するにつれて、定期的に成果を評価し、反省点を見つけ、改善策を立てることが重要です。これには、プロジェクト参加者や地域の人々からのフィードバックを積極的に受け入れ、プロジェクトの進行方向を柔軟に調整することも含まれます。
長期的な管理と継続: 最後に、このプロジェクトを永続的なものとするためには、長期的な管理体制の構築と次世代への引き継ぎが必要です。組合のリーダーシップと地域住民の参加、そして可能であれば地方政府の支援を組み合わせることで、これを実現することができます。
森林は私たちだけでなく、未来の世代にとっても大切な資源です。健全な森林を次の世代に引き継ぐことは、私たちが子供たちに対して果たすべき責任の一部です。森林整備に興味を持つことは、未来への遺産を作り出し、地球の持続可能な未来に貢献することを意味します。
山の整備一つとってもいろいろな考えや、やりとりを通して少しずつ進めていく事が大事です。多くの人が関わる共有財産として位置付けて、色々な方の意見を尊重しながらその土地にあった仕組みを構築していく事が大切です。