1月下旬、かすかに届いた甘い香りに見上げてみると蝋梅(ロウバイ)が満開。

ひとつひとつは小さい花ですが、集まって咲く黄色い花達はエネルギッシュ。スッキリと晴れた青空にも映え、寒さの残る季節でもこんなイエローカラーの花に出逢うと春を迎えたかのような気分になります。
ロウバイは蝋細工を思わせる不思議な質感の花びら、ウメ、ツバキ、スイセンとともに「雪中四花(せっちゅうしか)」のひとつとして数えられ、英名では「Wintersweet(ウィンタースウィート)=冬の甘い香り」と呼ばれる雪の中でも咲くたくましい春告花。
江戸時代に日本に渡来し、庭木、生け花や茶花としても好まれる植物です。ロウバイは厳密には冬の花ですが、春を感じさせる代表的な花としてナノハナ、タンポポ、スイセン、ヤマブキ、ミモザなど…浮かんでくるのは黄色の花。
なぜ春の花は黄色が多いのか?気になって調べてみると…「色で昆虫を惹きつけるため」という答えがいくつか見つかりました。黄色は人の目にも留まりますが、早春から活動するアブなどの昆虫にとっても敏感に反応できる色なのだとか。
納得の理由ですが、もう少し深掘ってみると…紫外線を含む青や紫の短波長の光には昆虫は反応し易く、赤色の様な長波長の光には反応が鈍い。
昆虫が識別できる波長は短波寄りなので、人には黄色や白に見える花も昆虫には「淡い青色」に見えているそう。青空とロウバイはどんな風に映っているのでしょうね。
蝋梅(ロウバイ):ロウバイ科 / ロウバイ属 原産地:中国 12月中旬~2月に開花するロウのような質感の黄色い花が特徴的。耐暑耐寒性もあり強い植物で庭木にもおすすめ。