藤の季節。梅から桜、そして見た目にも少し涼やかな藤色の花が咲きそろい、優雅に風に揺れる様子を眺めると、春から初夏へと季節の移り変わりを感じます。
全国にも藤の名所は多く、各地の花公園や神社、お寺など鑑賞に訪れるという方も多いのではないでしょうか。
以前、密を避けるためにせっかくの藤を切り取落とした…という悲しいニュースも耳にしましたが、今年はあちこちで藤まつりの案内がされているのを見ると、少しホッとした気持ちになります。
マメ科フジ属、英名をWisteria、日本のイメージが強い花ですが、北アメリカやアジア圏にも分布があり、日本に自生するのはノダフジ、ヤマフジの2種、枕草子にも登場する日本人に古くから愛される植物です。
花言葉は「優しさ」「歓迎」、振袖姿の日本女性をイメージさせるようで、女性らしさの象徴にも使われます。
分類の「マメ科」は意外でした。花を観賞することはあっても花の後は見る機会がないものですが、まさに豆の細長いサヤがつくのだそうです。これは花後も観察してみなければ。
そこからつながるのかどうか…、一世を風靡した『鬼滅の刃』に登場する鬼は藤の花が嫌い。という話。(個人的には読んでも観てもないのですが、家族から教えてもらいました)
鬼が嫌いなものに、豆、桃やヒイラギ、イワシの頭、というのは聞きますが、藤が嫌いなのは何故なのか…原作にもハッキリとした理由は描かれていないそうです。
やはり節分で投げられる豆、マメ科植物への嫌悪感なのでしょうか。
神社仏閣に藤が多いのももしかしたら魔除け的な意味合いがあるのかも。藤を眺めながら想像を膨らませてみたいと思います。